埼玉県の「父母負担軽減」と国の「就学支援金」どう違う?熊谷のご家庭向けカンタン整理


こんにちは!
スクールIE熊谷西校の室長・三浦です。
「ニュースで『高校無償化』って聞くけれど、『就学支援金』と『父母負担軽減』は別物なんですか?」
というご質問を本当によくいただきます。
言葉が似ているうえに、国と県がそれぞれ制度を出しているので、
「うちの家計には何がどこまで効くのか」が分かりにくいですよね…
・国の「高等学校等就学支援金」
・埼玉県の「父母負担軽減事業補助金」
この2つの違いを整理してみます。

まずは全体像:
高校費用を支える3つの柱

高校の学費を支える主な制度は、ざっくり分けると次の3つです。
- 国の「高等学校等就学支援金」
- 国の「高校生等臨時支援金」(2025年度=令和7年度限定)
- 埼玉県の「父母負担軽減事業補助金」+「奨学のための給付金」
このうち、今回しっかり整理したいのが
❶ ❷ → 国の「授業料そのもの」を支える制度
❸ → 埼玉県が独自に「授業料の残り+入学金+施設費など」を上乗せする制度
という関係です!
国の「高等学校等就学支援金」ってなに?

まずはベースになる、国の制度から見ていきましょう。
対象になるのは!?
- 日本国内に住んでいる
- 高校/中等教育学校/特別支援学校/一部の専修学校などに在学している高校生
- 公立・私立は問わない
熊谷から埼玉県内の私立高校に通う場合も、もちろん対象になります。
どんな費用が対象になる?
- 対象は「授業料」のみ
- 入学金・施設費・制服・教材費・通学定期代などは対象外
支援金は生徒や保護者に直接振り込まれるのではなく、国から学校に入り、そのぶん授業料から差し引かれるイメージです。
いくらぐらい支援される?
- 公立:授業料はほぼ全額カバーされるケースが多い
- 私立:授業料の一部〜多くの部分をカバー(学校や世帯年収によって変動)
2025年度(令和7年度)は、
- 年収約910万円未満世帯 → 従来の就学支援金(最大39万6,000円+私立加算など)
- 年収約910万円以上世帯 → 新設の「高校生等臨時支援金」で基準額(年11万8,800円)を支援
という形で、ほぼ全世帯をカバーする仕組みになっています。
今後、2026年度(令和8年度)以降は、所得制限の撤廃や私立向け加算額の引き上げなど、「授業料の実質無償化」に向けた拡充が予定されています。
埼玉県の「父母負担軽減」はここが違う!

次に、埼玉県独自の「父母負担軽減事業補助金」です。
名前が堅いですが、「国だけではカバーしきれない部分を、県がおかわりで助けてくれる制度」と考えるとイメージしやすいです。
対象になるのは?
- 生徒と保護者が埼玉県内に住んでいる
- 埼玉県が認可した私立の小・中・高・中等教育学校・特別支援学校・一部の高等専修学校に通っている
つまり、
・熊谷市内から県内の私立高校に通う場合
→ 父母負担軽減の対象になり得ます。
・熊谷から東京都内や群馬県の私立高校に通う場合
→ その高校が「埼玉県認可校」でなければ、この制度は使えません。
どんな費用が対象になる?
ここが国の制度との大きな違いです。
- 授業料
- 施設費などの納付金
- 入学金(全日制高校の場合)
までが、埼玉県独自の補助の対象になります。
つまり、入学時にドンと出ていく
- 入学金
- 施設費(校舎整備費など)
にも県の補助が入る点がポイントです。
いくらぐらい軽くなるの?
細かい金額は世帯年収や学校種によって変わりますが、令和7年度(2025年度)の資料では、たとえば私立高校全日制の場合、
- 年収約720万円未満の世帯 → 国の就学支援金+県の父母負担軽減で「授業料は実質ほぼ無償」
- さらに入学金・施設費にも、県から一定額の補助
というイメージになっています。
実際には「授業料そのものの額」が上限になりますので、各ご家庭・各学校でどこまでカバーされるかは、学校から配られる試算表や埼玉県の「私立学校の父母負担軽減について(令和7年度)」ページで確認するのがおすすめです。
:埼玉県公式サイト
保護者目線で見た「一番の違い」

ここまでを、ご家庭から見た分かりやすい違いでまとめると…
- だれのお金か
・就学支援金 → 国のお金(全国共通の仕組み)
・父母負担軽減 → 埼玉県のお金(埼玉独自の上乗せ) - 通う学校の条件
・就学支援金 → 全国の対象校(公立・私立・一部の専修・各種学校など)
・父母負担軽減 → 埼玉県が認可した私立の学校に通う場合のみ - 対象になる費用
・就学支援金 → 授業料だけ
・父母負担軽減 → 授業料の残り+入学金+施設費 - どんな順番で効いてくるか
・まず、国の就学支援金(+2025年度は臨時支援金)が授業料から引かれる
・そのうえで、残った授業料や入学金・施設費に、埼玉県の父母負担軽減が上乗せされる
「国のおかげで授業料がだいぶ下がり、残った分と入学金・施設費を埼玉県がさらに助けてくれる」
という二段構えになっている、とイメージしていただければOKです。
熊谷から私立高校に通うイメージ

具体的な学校名や金額はここでは出せませんが、熊谷から県内私立高校に通うケースをイメージしてみます。
- 年間の授業料:おおよそ40〜50万円台
- 入学金:10〜20万円台
- 施設費・諸経費:年間数万円〜十数万円
という高校が多いイメージです(実際の金額は志望校の募集要項で必ず確認してください)。
ここに
- 国の就学支援金(世帯年収に応じて最大39万6,000円+加算)
- 埼玉県の父母負担軽減(授業料の残り+入学金・施設費の一部)
が入り、年収約720万円未満の世帯では「授業料は実質ほぼゼロ〜ごくわずか」に抑えられるケースも多くなります。
一方で、
- 制服・体操服・教材一式
- 通学定期(熊谷〜浦和、熊谷〜大宮 など)
- 部活動・修学旅行・模試代
といった「授業料以外の費用」は、別の支援(高校生等奨学給付金など)を使わない限り、基本的には自己負担のままです。
ここをどう計画に入れるかが、熊谷エリアのご家庭にとっては大事なポイントになります。
よくある質問

-
就学支援金と父母負担軽減は、両方もらえますか?
-
はい、条件を満たせば両方利用できます。
イメージとしては、
- 国の就学支援金(+2025年度は臨時支援金)が、まず授業料に適用される
- 残った授業料・入学金・施設費に、埼玉県の父母負担軽減が上乗せされる
という順番です。
-
申し込み先はどこですか?
-
どちらの制度も、基本的には「お子さんが通う高校を通して」申請します。
高校から配布される案内やプリント、オンライン申請のURLなどを見落とさないことが大切です。
申請の時期は、多くの学校で7月ごろに案内が出る予定です。
-
年収のラインを少し超えそうで不安です…
-
就学支援金・父母負担軽減ともに、最終的な判定は「市町村民税の課税所得」などをもとに決まります。
チラシなどに書かれている「年収◯◯万円未満」はあくまでも目安です。「うちはギリギリどうなんだろう?」という場合は、
- 在籍(予定)の高校の事務室
- 埼玉県総務部学事課「学費軽減ヘルプデスク」
に早めに相談されると安心です。
:埼玉県公式サイト
-
授業料以外の費用を助けてくれる制度はありますか?
-
はい、あります。
- 授業料以外の教育費(教科書代など)をサポートする「高校生等奨学給付金」という制度があり、非課税世帯や生活保護世帯などが対象です。
こちらも、就学支援金や父母負担軽減とは別枠で利用できる可能性があります。
対象になるかどうかは、お住まいの自治体や高校に確認してみてください。
おわりに
最後に、この記事のポイントをまとめると、
- 就学支援金 … 国の制度。授業料だけを軽くしてくれる“全国共通”のしくみ
- 父母負担軽減 … 埼玉県の制度。授業料の残りや入学金・施設費もサポートしてくれる“埼玉ならでは”の上乗せ
- どちらも、高校を通して申請すれば併用OK。志望校とご家庭の状況をもとに試算してもらうのが安心
という3点になります。
ご不明点などあれば、いつでもご相談ください。
お子さまの進路の選択肢を広げつつ、家計の不安も少しでも軽くできるように、これからも熊谷受験ナビとスクールIEで全力でサポートしていきます。
スクールIE 熊谷西校
開校時間 平日/14:30〜22:00
土曜/14:00〜20:00
住 所 埼玉県熊谷市石原2-56
電 話 045-594-7134
定 休 日 日曜


熊谷受験ナビとは?
「熊谷受験ナビ」は、熊谷市と周辺地域の中学生・保護者のための受験情報発信コーナーです。
スクールIE熊谷西校の室長・三浦が、最新の受験情報や学習アドバイスをわかりやすくお届けしています。


