【株式会社梅林堂】代表取締役社長 栗原良太
熊谷で頑張る人と地域を繋ぐ / 創業160年企業の社長にインタビュー
1864年(元治元年)創業の老舗和菓子店で、160年の歴史を誇る株式会社梅林堂。
埼玉県(31店舗)、群馬県(2店舗)、東京都(4店舗)に店舗を展開。
熊谷ナビの第1回インタビュー企画では、同社の栗原良太(くりばらりょうた)社長にお話を伺いました。
Q1.梅林堂の社長に就任し、30年間第一線で活躍されていますが、「働く」とはどのような意味を持つものでしょうか?
梅林堂は160年続いており、6代目として幼少期から多くの喜びや悲しみを経験してきました。
その中で、働くということを突き詰めていくと「損得」と「善悪」という2つの軸があることに気がつきました。
ビジネスをする上で、「損得」は非常に大事ですが、私たちは「善悪」の軸を大切にしていかないといけないのではないかと思います。
人のために生きることこそが、私たちに与えられた使命であり、そこに喜びを見出す生き方をすべきだと考えています。
もちろん、私や会社が世の中に大きな影響を与えることはできません。
しかし、たとえ一人でも「あなたがいて良かった」と喜んでもらえるような存在になりたい。
日々一生懸命お菓子作りをして、お客様に喜んでもらうことに尽きる。そう思っています。
このようなインタビューも「損得」ではなく、誰かの役に立てるのであれば積極的に応じるべきだと思っています。
たとえその恩が自分に返ってこなくても、必ず誰かに返っていくものだと信じています。
私にとって、仕事(働く)とはこういったものだと考えています。
Q2.多くの社員さんやパートさんがいらっしゃいますが、経営者として、人や組織を動かす上で、大事にしていることや信念は何でしょうか?
まず第一に、社長という役職は組織を動かすための役割にすぎず、役職を取り除けば、誰もが同じ人間です。
これまで歩んできた道が異なるだけで、嬉しい気持ちや悲しい気持ちを持つ、同じ人間です。
そうやって一人ひとりに人権があるからこそ、従業員一人ひとりに何かお役に立てることがあれば、私なりに真摯に向き合ってきたつもりです。
昨年は、半年以上の期間をかけて全従業員と面談を行いました。
それぞれの人生における成長について話し合ったり、社員が読めるように手紙を書いたりと、コミュニケーションを行ってきました。
これからも、こうした取り組みを続けていきたいと考えています。
若い頃はこのような対応がうまくできませんでしたが、歳を重ねるにつれて、少しずつ上達してきたように感じています。
私にとって、「共に生きていく」ことだと考えています。
Q3.仕事をする上で、今の時代に大事なことは何ですか?
昨今、さまざまな形で「ハラスメント」という言葉が使われるようになりましたが、根本的に上に立つ者の知性や配慮があれば、争いなどは起きないのではないかと考えています。
物事を学び続けることで自己を高め、他者への一定の配慮を行うことで、秩序が生まれ、争いは最小限に抑えられるはずです。
多くの問題は、越えてはいけない一線を越えることで生じます。
しかし、知性を磨き、深い理解を持つことで、こうした問題は解消できると思います。
また、伝えたいことを言語化できないことも、誤解や対立を引き起こす一因です。
伝えたい内容を的確に言語化できれば、誤解を避け、より良いコミュニケーションが可能になります。
私自身も、言語化力を高めるために日々学び続けています。
Q4.熊谷市の地域経済の発展に向けて、梅林堂が果たしていく役割や、企業としてのビジョンについて教えてください。
梅林堂の役割として、まず第一に、お客様に美味しいお菓子を提供し続けることを大切に考えています。
私たちは、お菓子を通じてその想いを形にしています。
また、地域に対しては、ビジネスに関するノウハウやリテラシーをもっとオープンにし、互いに学び合える場を作っていきたいと考えています。
こうしてお話を聞きに来てくれるなら、私は喜んで話をしたいと思っています。
Q5.地域の若者や、これから活動(起業)しようとしている人に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。
少子化により日本の国力低下が進む中で、夢や希望を抱きにくい世の中だと感じるかもしれません。
しかし、実際には、よく見れば夢や希望は身近にたくさん転がっているのではないでしょうか。
だからこそ、何事にもチャレンジし、行動を起こしてみてください。
たとえ今は見えていなくても、視点を変え、別の角度から物事を見てみることが大切です。
裏側から見ることで、思わぬ発見があり、面白いことがたくさん見つかるはずです。
また、昔と比べて今は多くのチャンスが存在し、これからも大きなチャンスがたくさん転がって来ると思います。
私は、毎日7紙ほどの新聞を読み、気になる記事を切り抜いてまとめることを習慣にしています。
若い頃からこうした習慣を持っていれば、もっと勉強ができたのではないかと感じています。
若いうちは体力があり、文字を読み続けたり、暗記したりすることも可能です。
その体力を生かし、どんどん学び、ぜひチャレンジし行動を起こしてみてください!
▶︎株式会社梅林堂 代表取締役社長
栗原 良太(くりばら りょうた)
1955年 埼玉県生まれ
1978年 慶應義塾大学卒業
1993年 6代目代表取締役社長に就任
ー 人と人の心をつなげるお手伝いを ー
人と人との心を繋ぐきっかけとなる、優しくて温かいお菓子を創りたい。
そんな想いのもと、160年以上もの間、埼玉・熊谷の地でお菓子を作り続けています。
お菓子のおいしさを追求しつつ創意工夫を加えながら歩み続け、
皆様に愛されるお菓子となりました。
梅林堂 店舗紹介(熊谷市内)
箱田本店
熊谷市箱田6丁目6-15
☎︎ 048-521-4651
ラグビーロード店
熊谷市中西1丁目-9-12
☎︎ 048-522-1354
籠原南店
熊谷市籠原南3丁目221
☎︎ 048-532-1681
八木橋銘菓百選街店
熊谷市仲街74
☎︎ 048-525-7793
熊谷駅ビルアズロード店
熊谷市筑波2丁目112
☎︎ 048-521-3250
この記事書いた人
頑張る人と地域を繋ぐ管理人
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